オオカミ弁護士の餌食になりました
「いいよ」
「え、いいの!?」
「うん。同期飲みでしょ? 和花には私から声かけとくから」
じゃあ、と言って給湯室に行こうとしたら、「いやいやいや」と焦った声が追いかけてくる。
「小松は……その、今回は同期とかじゃなくて」
「ん?」
「いや、あの、ちょっと相談したいことがあるから、ふたりがいいんだけど」
「相談って?」
「それは……そのときに話す」
「ふうん」
結局、仕事が終わったら地下鉄の入り口前で落ち合う約束をして、宮田は自分の机に戻っていった。