オオカミ弁護士の餌食になりました
いつもの居酒屋かと思っていたら、送られたマップ通りに進んでたどりついたのは、少し値段設定が高めの創作料理の店だった。
店員に案内された個室をのぞくと、宮田が右手を上げる。
「おつかれ」
「ごめん、遅くなった」
「いや、平気」
先に飲んでいたのか、ほんの少し赤い顔をしている。
「わざわざ個室を予約するなんて、どれだけ重い相談なの?」
掘りごたつ式の席に着きながら私が店員にビールを頼むと、宮田は慌てたようにメニューを差し出してきた。
「とりあえず食おうよ。腹減った」
渡されたメニューの中から適当なものを選んで注文を済ませるうちに、ビールが運ばれてきた。