オオカミ弁護士の餌食になりました
「とりあえず、和花に謝っておいたほうがいいんじゃない?」
「……ああ。あいつも、なんも言わねえんだもんなぁ」
「……あんた、和花がなにも言い返さないのをいいことに、仕事を押し付けたりしてないでしょうね?」
私が睨むと、宮田は気まずそうに視線をそらした。どうやら思い当たる節があるらしい。
「そういうとこ、ちょっとどうかと思うよ」
刺身を軽く醤油につけて口に放り込んでから、しゅんとうなだれている同期に目を戻す。
「まあ、和花も和花で私から見たらおとなしすぎるけど、宮田も宮田で、もう少し周りの気持ちを推し量ったほうがいいんじゃない」
ふたりを足して二で割るとちょうどよさそうだなと思ったけれど、和花にはすでに彼女にぴったりの相手がいるのだ。