オオカミ弁護士の餌食になりました

「とりあえず、人によって態度を変えるのは今後の宮田のためにも、いい結果にはならない気がする」

「……うん、そうだよな」

 素直にうなずく宮田に、私は笑いかけた。

「まあ、元気出して! ちゃんと罪悪感を覚えたってことは、人間として成長の伸びしろがあるってことなんだから!」

 眉を下げたままだけど、宮田はいくらかすっきりしたように表情を緩めた。

「うん、サンキュー」

「で、相談ってそれ?」

「あ、いや、それはまた別の話で……」

 後ろに両手をついて軽くのけぞる態勢になった宮田が、思い直したように背筋を正した。

「やっぱり、いいよな、お前。はっきり物を言ってくれて」

「うん?」

< 96 / 157 >

この作品をシェア

pagetop