結婚のその先に
「啓吾さん、もっと飲も?」
「いいよ。」
「啓吾さん、今日格好よかったね。」
「ん?」
「仕事してる啓吾さん格好よかったなぁ。」
「そっか?」
「うん。うふふ。」
「楽しそうだな。」
「ふふっ。」
酔っている栞菜をタクシーに乗せてふたりはホテルに向かっていた。

「会いたいなぁ。お兄ちゃんに。」
「うん」
「見てるかなぁ。」
「見てるよ。あいつは。」
酔っている栞菜は啓吾の肩に頭をのせる。

啓吾は栞菜の頭を撫でる。栞菜は静かに目を閉じた。
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