結婚のその先に
ホテルにつく頃には栞菜は熟睡していて啓吾は栞菜をおんぶして部屋に向かった。

ベッドに栞菜を寝かせて靴を脱がせる。

来ていたコートを脱がせると栞菜が啓吾に抱きついた。

急に抱きつかれてバランスを崩した啓吾は栞菜の横に倒れこんだ。

「こらこら。」
「……。」
啓吾が栞菜を見ると栞菜は静かに涙を流していた。

「どうした?気持ち悪い?」
啓吾がその涙をぬぐうとまっすぐに啓吾を見ながら栞菜はその手に自分の手を重ねた。
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