結婚のその先に
大阪から帰ってから啓吾の態度は出張前とは変わった。

栞菜と名前を呼ぶことが増えて結婚式の打ち合わせもどんどんとリードしていく。

そして休日。啓吾に呼ばれた栞菜。
啓吾がソファにおいでと手招きする。

啓吾の隣に座ると啓吾は栞菜の左手をとり薬指にダイヤの指輪をはめる。

「これ」
栞菜が啓吾を見るといたずらに笑みを浮かべながら啓吾が見つめている。

「遅くなってごめんな。」
「……。」
「結婚してください。幸せにします。」
「……。」
栞菜は涙が溢れて指輪に視線をうつした。

栞菜がひとめで気に入るデザイン。どれだけ啓吾が自分を考えて決めてくれたかがわかる。
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