結婚のその先に
昔からずっとずっと大好きな人からのプロポーズ。嬉しくないわけがない。

たとえこのプロポーズが誰かに決められたものでも。この結婚に一方通行の愛しかないとしても。「はい」と返事をすることしかできない。

栞菜はそんなことを想いながら返事をした。


栞菜がなかなか返事をしないことに啓吾は緊張をした。だからこそ栞菜の返事を聞いてふっと肩の力が抜けた。

「緊張するな。やっぱり。」
「手、震えてた。」
「震えるだろ。」
ふたりは笑いながら抱き合った。
< 133 / 279 >

この作品をシェア

pagetop