結婚のその先に
自分の思っていることがどうか誤解であってほしいと願いながら栞菜は啓吾を見る。

「今回の取引はあくまで飯村物流との長い取引を今後も継続していくための手段だったんだ。そこに高宮が関わってくることまで想定していなかった。むしろ取引内容の改善で飯村物流に利益が生じて高宮との取引にもプラスに向かうことがねらいだった。」
啓吾の言葉を信じたい。

でも翠とのことが頭に浮かぶと信じきれない。

「栞菜さんは啓吾さんを信じていないのね。むしろ敵対して疑うのね。」
翠の言葉に啓吾が一瞬悲しそうな顔をしたのを栞菜は見逃さなかった。
< 186 / 279 >

この作品をシェア

pagetop