結婚のその先に

「実は、もうすぐ株主総会が開かれて藤崎、高宮両財閥は経営合体をすることが発表されます。」
「噂には聞いていましたが本当にそうなるのですか？」
「はい。すでに具体的にいくつか話が進んでします。お互いの財閥の持つ系列会社の技術共有や物流等のルートも大幅に拡大します。かならずこの経営合体により利益があがると確信しています。」
飯村物流の重役たちが目を合わせる。

「御社にとっても必ずプラスになります。」
「どのように？」
「はい。私たちの考えは藤崎との取引額を80%に下げます。高宮との取引は今まで通りの条件にはなりますがトータルしても御社にとっては20%の利益がうまれます。」
啓吾は書類を重役に渡しながらすらすらと話を続ける。