結婚のその先に

「啓吾さんが気持ちを伝えてくれて、あぁ私はこのまま啓吾さんのそばにいていいんだって思った。赤ちゃんも…嬉しかった。だって大好きな人の赤ちゃんだもん。でも高宮のことをちゃんとしたかったの。藤崎も高宮も守ろうとしてくれる啓吾さんをみて、自分もちゃんとしなきゃって…。」
栞菜の顔が歪み涙が溢れ出す。

「ずっとお兄ちゃんになりたかった。お父さんお母さんに認めて欲しかった。居場所が欲しかった。自分がいてもいいんだっていう場所が欲しかった。でも自分で道を選んでいいって啓吾さんが言ってくれたとき、あぁ私が求めていた居場所はもうお父さんお母さんのところじゃないって気づいたの。私は啓吾さんが好きで啓吾さんといたいです。」
泣きながら栞菜は啓吾に手を伸ばす。