結婚のその先に
全員が帰ると藤崎家と高宮家がひとつの部屋に集まった。




「婚約式は行わず今日の発表だけにする、でよろしいですか?」



「もちろんです。結婚式でお披露目にしましょう。」




「結婚の時期ですが半年後はどうでしょうか?株主総会がありますし、その前にしましょう。」




「それはいい考えですね。ぜひ、お願いします。」




啓吾と栞菜の父の間でどんどんと話が進んでいく。




二人は置き去りにされているような感覚だった。




「二人とも」




啓吾の父に呼ばれて栞菜は顔をあげる。




「勝手に進めて悪いがお互いの家族のためと思ってほしいんだ。仲良くやって、社員を安心させてほしい。ふたりにたくさんの社員の生活がかかってるからな。明日からは栞菜は代表取締役専属秘書にする。公私ともに啓吾を支えてやってくれ。」




「はい」
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