結婚のその先に
夕方になりやっと目を覚ました栞菜はすぐに自分の状況に気付き啓吾に謝った。




啓吾は「ばかっ!」と怒る。啓吾がこんなにも感情を露にするのはめずらしい。




「ごめんなさい、、、」




「なんで俺を呼ばない?なんで具合が悪いこと隠すんだよ。意識ない栞菜をみてどんな思いしたかわかるか?」





「ごめんなさい、、、」




「謝れって言ってんじゃないだろ?理由を聞いてる。そんなに俺じゃ頼りないか?俺に言いたくないのか?」




啓吾の言葉に栞菜の瞳からは次々に涙がつたう。





「思ってること、全部言え。そうやって飲み込むな。」





口調が荒くても啓吾がどれだけ自分を想って、心配して、支えようとしてくれてるのかがわかっている栞菜。




思わず泣きながら栞菜は啓吾に両手を伸ばした。
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