結婚のその先に
啓吾は一瞬戸惑った表情をしたがその手をとりぐっと栞菜を抱き締めた。




華奢な栞菜の体は啓吾の胸にすっぽりとおさまる。




高熱でまだ熱い栞菜の体を抱き締めながら啓吾はこのまま壊れてしまいそうに感じた。




ひとしきり泣くと栞菜は少しずつ落ち着いてきた。




啓吾は栞菜の背中をぽんぽんとさすっている。



「でもまだ怒ってんだぞ?俺は」と言いながらも優しい。





栞菜は啓吾に体を預けたまま目を閉じて話し出した。
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