結婚のその先に
啓吾はもう一度栞菜の体を強く抱いた。




体は華奢でもちゃんと強い心をもつ栞菜。




「伝わった。ちゃんと伝わった。」




「、、、うん。」




「でもな、栞菜。俺は栞菜がいるから頑張れるんだ。守りたいものがあるから頑張りたいと思えるし、もっと上を目指そうって力にもなる。」




「、、、。」




「だから俺が一番必要とされたいのも頼られたいのも、両親でも社員たちでもない。栞菜に、必要とされたいんだ。栞菜に頼られたい。」




「、、、」



「誰にも言えないどろどろした気持ちだって受け止めたいんだ」




「うん」
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