結婚のその先に
「栞菜っ!」



啓吾がすかさず栞菜の体を支える。




「大丈夫。大丈夫。」



栞菜の体は小刻みに震えていて唇まで青い。




啓吾はジャケットを脱ぎ栞菜の肩にかけた。




そして受話器を渡す。




栞菜の気持ちがわかるからこそ啓吾は栞菜を止めようとはしなかった。




「思う存分やれ。ふたりで暴れよう。終わったらいくらでも看病してやる。」




啓吾は再びいたずらっ子のように笑い作業に戻った。
< 77 / 279 >

この作品をシェア

pagetop