結婚のその先に
自宅へ戻る頃栞菜は自力では立ち上がれなくなっていて啓吾が抱き上げて部屋へ向かった。




「啓吾さん。ありがとうございました。」




「俺はなにもしてない。栞菜が頑張ったんだろ。」




「そばに啓吾さんがいてくれたからできたの。隣を見ると啓吾さんがいて、一緒にいてくれたからがんばれた。私、自分の力で最後まで頑張れたことがなくて、、、。啓吾さんと一緒だったから初めて最後までやれた。」




「自信、ついたか?」




「止めないで最後までやらせてくれて、ささえてくれてありがとう。すっごくうれしい!」




栞菜は抱き上げられたまま啓吾の頬に口づけた。





体はいうことを聞かなくても充たされた気持ちになった。
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