SKETCH BOOK
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あたしは今、とてつもなく困っている。
今日は浩平が帰ってくる日なんだけど、
どんな顔して会えばいいのか分からない。
この五日間、
夢を見過ぎていたのかもしれない。
橙輝と喋るだけで楽しかったし、
思い出も増えたし、常に笑っていたけれど、
現実を見て見ると
そんなことしている場合じゃなかったことに気付いた。
あたしは浩平の彼女で、
橙輝を好きでいてはいけないんだ。
分かっていたつもりだったけど……。
付き合ってきて今まで
浩平とこんなに離れたことはなかったから
考えたことなかったけど、
浩平が近くにいてくれたから
今まで前を向いてこれただけであって、
本当は何も整理できていなかったんだ。
あたしは今でも橙輝が好きなままだし、
それは変わらなかったんだ。
そう気付いた今、
とてつもない罪悪感に苛まれている。
これからどんな顔して
浩平に会えばいいのか分からない。
分からないけど、
浩平に会う時間が迫っていた。
「はぁ、どうしよう」
「何がどうしようなの?」
「百合~」
喫茶店で百合に助けを求めたあたしは、
これまであったことを全て打ち明けた。
百合はパフェを頬張りながら
話を聞いてくれて、
全部を話し終えた時、ずばりと言った。