SKETCH BOOK



パパと橙輝と暮らすようになって一ヶ月。


高校もだいぶ慣れてきた頃。


抜き打ちテストの結果発表が配られた。


「げっ」



用紙を見てびっくり。


なんと下から数えた方が
断然早いじゃない。


まったく。


どうしてあたしの頭脳は
お母さんに似てしまったんだろう。


お父さんに似ていればきっと
今ごろ鼻高々だったのに。


一人でそんな風に実の母を恨んでいると、
横から笑い声が聞こえた。


笑っているのは他でもない、橙輝だ。


「何笑ってんの?」


「だってお前……それはまずいだろ」


「うっ……うるさいなあ!」


「親父と遊んでばっかりだからそうなるんだよ」


「なっ、そういうアンタはどうだったのよ」



ちらっと橙輝の用紙を見てみて、
あたしは愕然とした。


「い、一位って……なにこれ」


「何って、なんだよ」


「う、嘘!橙輝じゃないでしょこれ。
 あんたが一位?」


「なんだよそれ。紛れもなく
 俺の順位ですけど?」


「は、はぁ~?」


「百瀬、うるさいぞ百八十四位」


 
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