愛しい人の愛し方
............
あれから、どれだけ日が過ぎただろう。
彼からの「おはよう」の言葉以外、時間を測るものはない。
その「おはよう」さえ、40回を過ぎた頃から数えることを止めた。
どうせ逃げられない。
だから逃げること...抵抗も、諦めた。
もう、いい。
一生出られなくても、身体を穢されることになろうとも、別にいい。
だけど、心はあげない。
心以外なら、何だって奪っていいわ。
それ以外は諦めたから...いっそ、心が壊れれば楽なのに。
殺して、なんて最初の頃は願った。
でもきっと、それは彼が私を1つの形としての「永遠」にしようとした時のみだと思うから。
私はきっと、観賞用の熱帯魚のように外には出られない。
彼という名の水槽の中に居るしかない。