海風
結局私は閉館間際で図書館を出た。
さっき凪が言っていた様に本当に雨が降っていた様で、空気も冷たく、地面が湿っていた。
どうやら周りもちらほらとこれから帰る人が居る様で、私の横を通り過ぎていく。
それを見た私も、もう暗いし帰ろう……と足を進める。
凪は……私の隣に居たみたい。
楽しそうな顔で私の隣を歩いてる。
家に着いた時、凪は唐突に口を開いた。
「僕、水乃ちゃんが好きです」
「そう、でも残念ね
何度も言うようだけど私は貴方の事嫌いよ」
ある日を境に凪は私を口説く様になった。
当然、私は凪の言葉を切り捨てる。
だって、凪の事は嫌いじゃないけど。
正直凪の想いに答えるつもりはないもの。