海風
風邪
カーテンの隙間から漏れる光を見て朝だと思って、目を覚ましたら頭と身体が重かった。
まさかよりによって、こんな時に風邪を引くなんて……。
こんな暑い日に、寝込むなんてまっぴらよ。
きっと最近は気温の変化が激しかったり、雨だったりしたからね。
あんな雨の日に外なんか出てるんじゃなかった。
私は誘われて出ただけだから、絶対に私は悪くないと思う。
悪くなんて……
せめて水分だけでもと、部屋の外に出ようとして、ベッドからフラフラしながら出る。
そして、部屋の扉を開けた時……凪が居た。
「あ、水乃ちゃん!
おはようございます
暑いですか?
氷、使います?」
「……別に」
「なら、寒いですか?」
「けほっ……別に」
「水乃ちゃん?冷えピタ……
凪の落ち着いた低い声が今日は少しだけ焦ってる様に聞こえる。
空調がどうのとか、今日の天気がどうのとか、最終的には寝てないと駄目だとか、凪がお母さんみたいだ。
……ってか何で凪は今目の前に居るのよ。
心配してって言うけど、これじゃ私何も出来ないじゃないっ!!
ほっといてよ……。
そう思って自室の扉を閉める。
あわよくば外に出てアイスでも買おうとしてた私も私だけど。