海風
心
今日の天気予報は夜まで晴れ。
何処に行こうかな。
そう思って起きた。
今の時間は6時。
うん、中々早いし涼しい空気の中にもじんわりとした暑さが微妙に出て来る時間帯。
散歩でもしたら気持ち良さそう。
家を出てすぐに声がかかった。
凪……だった。
凪の様子が少しだけ違った。
やたらと早い時間に声をかけてくる上に、いつも楽しげに声をかけてくるのに、今日は真剣な顔をしてる。
「水乃ちゃん、海に行きませんか?」
「…………」
「今、海が凄く綺麗なんです
どうですか?」
「…………」
「水乃ちゃん、お願いします
一緒に行きましょう」
「……わかったわよ」
どうせ行く場所なんて決まってない散歩に出ようとしてただけだ。
そう言い訳を心の中で重ねる。
動揺してしまったなんて認められる訳が無いじゃない。
凪の真剣な心がこんなにも伝わるんだもの。
凪、どうして……。