あなたの命、課金しますか?


三鷹裕也はモテる。


私も分かってはいたつもりだが、いざ付き合い始めて分かったことがある。


サッカー部の練習が終わるのを待っていた時のこと。


三鷹くんの前に、下級生の女子が飛び出してきた。


「好きです、付き合って下さい‼︎」


勇気を振り絞って告白したようだが、三鷹くんと私の仲は公然だ。


知らないはずないのに、なんて厚かましい女⁉︎


さっさとフラれてしまえ‼︎それとも私が出て行って追い払ってやろうか‼︎


でもそうしなかったのは、三鷹くんがちゃんと断るのを聞きたかったからだ。


どう断るんだろう?


「俺、彼女いるよ?」


その言葉に、ホッとした。


やっぱり私のことを1番に考えてくれている。


ちょっと言い回しが気になったけど。


だって、彼女がいるからと強く拒絶したわけじゃなかて「彼女いるけど、それでもいいの?」って続きそうで。


その証拠に「それでもいいんで‼︎」と、挙句、2人は連絡先を交換した。


「どういうこと?今の見てたんだけど⁉︎」


腹が立って詰め寄る私だったが、ポンッと頭を軽く叩かれて__。


「なに言ってんだよ、俺の彼女は渚だけじゃん。俺は渚が1番、好きだよ」


なんて言われたら「じゃ、2番があるのね?」とはきけない。


三鷹裕也には、常に女の影が付きまとっていた。



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