あなたの命、課金しますか?


これこそ、私が今、心から待ち望んでいる願い事。


裕也が私だけを愛するようになる?


他の女には一切、見向きもしないで?


この私だけを__。


迷うことはなにもない。


残りの寿命があと1年になってしまうが、なんとかなるだろう。


それより、三鷹裕也を独占したい。


私だけのものにできるんだ。


私は、願い事を叶えることにした。


その瞬間、スマホが鳴って思わず落としそうになる。


裕也からだった。


「渚?今から会えないか?」


「えっ、でももうこんな時間だけど?明日も学校だし。学校でも会えるじゃん」


「今、会いたいんだ‼︎」


「__わかった」


近くの公園で待ち合わせることになった。


裕也から会いたいなんてこと、これまでに1度もなかったような気がする。


これも願い事が叶ったお陰。


「渚‼︎」


やってくるなり、強く抱き締められた。


熱い思いが伝わってくる。


「好きだよ」


「私も好き」


求められるまま、唇を奪われる。


裕也が私を求めている。


心から私を欲している。


完全に、三鷹裕也を手に入れた瞬間だ。


祝福のキスは、いつまでも終わりそうになった__。



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