あなたの命、課金しますか?
【今なにしてる?】
【買い物?誰と?】
【お母さん?本当にお母さん?】
【証拠は?】
【男じゃないのか?】
【他に男ができたんだろう‼︎】
【どこのどいつだ⁉︎】
【殴り殺してやる‼︎】
返事をする間がないほど、裕也は1人で激昂していく。
すぐにお母さんとの写メを送ると、態度が豹変する。
【ごめん、疑ったりして。でも渚のことが好きだから心配で、ついカッとなってしまった。でも分かってほしい。渚を愛しているからこそなんだ】
怒った後は、いつも決まって優しくなる。
そして【それ】は、なんの前触れもなく起こった。
「今、どこ見てた?」
「えっ?」と振り返ると、裕也が恐ろしい形相で立っている。
さっきまで腕を組んで仲良くデートしていたのに。
「誰を見ていた⁉︎」
「誰って__?」
「あの男を見てただろう‼︎あの男を物欲しそうに見てたじゃないか‼︎」
「裕也、一体なにを__っ⁉︎」
最後まで言い終わらなかったのは、頬をぶたれたからだ。
頭が痺れて、立っているのもやっとだった。
殴られた痛みと、受け入れ難い真実。
私は__殴られた。
「ごめん。でも、俺以外の男を見るからだ。渚、お前は俺のもの。俺だけのものなんだ」