あなたの命、課金しますか?


「南くん‼︎」


裕也が居なくなった瞬間、私は倒れている南くんに駆け寄った。


体に触ったが、びっくりするくらいに熱い。


なにかに魘(うな)されたように震え、呼びかけても返事はなかった。


顔色もほとんどなく、私の目からも明らかだ。


南くんは__死にかけている。


指がどうこうの問題じゃない。


「どうしよう」


私のせいだ。


私なんかが、南くんの好意に甘えてしまったために、将来の夢を奪い取ってしまった。それだけじゃなく、命まで刈り取ろうとしている。


高熱で震えている南くんを膝に抱き、私は泣くことしかできない。


さっと見回しても、出口はない。


なにか役に立ちそうなものも、見当たらない。


ここでこうして居るしかないのか?


ただ見送るしかないの?


私のせいで死ぬのに?


私は人殺し?


「__な、ぎさ?」


弱々しい声が漏れた。


「南くん!南くん⁉︎」


「ごめん__」


それだけ聞き取れた。


俺のせいで、とか、俺が守らなくて、と言葉にならない言葉をうわ言のように口にしたが、はっきりとは分からない。


それでも南くんは、私に謝っている。


謝らないといけないのは、私のほうなのに。


「待って。私が、私がなんとかするから」



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