あなたの命、課金しますか?
「麻里恵に頼まれたんでしょ⁉︎」
「な、なんだよ⁉︎俺は知らねーよ‼︎」
「うそ‼︎始めっから桃子を傷つけようとしたくせに‼︎」
「知らねって言ってんだろうが‼︎」
私が掴んでいる手首を振り切り、ドンッと肩を突かれた。
ハシゴに背中を思い切りぶつけ、その間にギャル男が逃げていく。
私が追わなかったのは、ぶつかった拍子でハシゴが大きくグラついたからだ。
反対側のハシゴと繋がっている、いくつもの照明が揺れる。そうじゃなくても、麻里恵たちを輝かせている光は、自動で首を降っているんだ。
もし今、このハシゴが倒れたら__?
思わずハシゴを握っている手に力を込める。
歓声を一心に浴びて踊り続ける、麻里恵たち。
はなっから、桃子を陥れようと誘ったんだ。それを素直な桃子は受け入れた。もしかしたら騙されているかもしれないが、信じてみようと__。
水浸しになり、嘲笑いの的となった桃子の悲しみが、私には痛いほど分かる。
同じ悲しみを、あいつらに味あわせてやりたい。
いや、それ以上の苦しみを味あわせてやる。
今度はお前たちが罵られればいい。
きっと照明は、その顔を傷つける。
【ブス】の気持ちが、これでわかるだろう。