あなたの命、課金しますか?


ここは__?


「渚、大丈夫か?」


目を覚ますと、枕元に裕也が居た。


心配そうに私の顔を覗き込んでいる。


体を起こそうとするも、力が入らない。気だるさが襲い、頭も重い。


確か、2人でご飯を食べていた。


中華屋さんで、裕也が唐揚げをくれて、そのあと餃子を食べているのを見て__そこから記憶がない。


「ちょっと無理してたのかもな」


寝汗で額に張りついた前髪を分けながら、裕也が言った。


「渚だけの体じゃないんだから」と相変わらず優しい言葉を掛けてくる。


でもそれは、裕也を騙していることと同じ。


いつかバレる。


それなら早いうちに打ち明けたほうがいいんじゃないか?


勘違いだったと言えば、まだ間に合う。


まだ間に合うのだが、私の口からは真実は出てこない。


今のこの温かい繋がりを、失いたくなかったからだ。


いつかそれは、確実に音を立てて崩れ去ると分かっていても、今を失うことは私にはできなかった。


「先生も言ってたぞ、無理しちゃダメだって」


「うん、ありがとう」


「俺たちの赤ちゃんなんだから」


「__うん」


お腹を撫でる裕也の手に、自分の手を重ねる。


「渚、1つ訊きたいんだど?」


「なに?」



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