あなたの命、課金しますか?
次に目が覚めると、再びベッドの上に寝ていた。
起き上がろうとすると、きりっと痛みが走る。
首に触れると、確かに痛い。
絞め殺されそうになったのは、間違いない。
その私を殺そうとした当人は、私のお腹の上で眠っていたが。
すやすやと寝息を立てている。
殺すことができなかったのか、自分のしていることを猛省したのか、それとも__もっといたぶってから殺そうというのか。
私には分からない。
でもただ1つ、はっきりと分かったことがある。
私はそのうち、殺される。
殺される前に、なんとかしないと__。
今、もし手にナイフを持っていたら、異様に出っ張った喉仏を突き刺すのに。
今、もし拳銃を手にしていたら、迷うことなく引き金を引くのに。
今、もし絞め殺すことができるなら、ありったけの力を込めて首の骨を折ってやるのに。
今、私にできることは、起こさないように息を潜めるだけ。
起こして機嫌を損なわないように。
そうやってこれから一生を過ごさないといけない。
永遠に縛りつけられたまま。
心から笑うこともなく__。
その時、スマホが鳴った。
画面を開く。
【新しい願い事が追加されました】
久しぶりに見る、アプリの願い事。
私は裕也の寝顔を見下ろしながら、クリックした。