あなたの命、課金しますか?


「渚は、もし俺が死んだらどうする?」


不意に裕也が尋ねてきた。


これはよく考えなきゃいけない。


私の答えなんて関係ない。


裕也が納得する答えを、口にしなきゃいけないから。


本当の私なら「涙を流して喜ぶ」と言いたいところだが、そうはいかない。だからジッと考え込んで言った。


「裕也が居ない世界なんて、考えられない」


少し心細そうに答える。


きっと満点の答えだと思ったが、裕也が眉を寄せた。


「考えてみろって言ってんの。もし俺が居なくなったらどうする?」


「そんなの、考えられない‼︎」


「それはさ【死ぬ】ってことでいいんだよね?」


「えっ__?」


「俺は渚が居ない世界で生きている意味なんてないから。もし渚が死ねば、すぐに後を追って命を絶つ」


裕也の目は、真剣そのもの。


死んでまで追いかけられたんじゃ、たまらないが。


「わ、わたしも同じ」


「死ぬってこと?俺が居ないと死ぬってこと?」


「__うん」


心にもないことだったが、頷かないと事はおさまりそうにない。


「言葉でちゃんと言って」


「言葉で?」


「そう、ちゃんと渚の口から聞きたい。誓いを」


「___もし裕也が居なくなったら、私も後を追って死ぬ」


かすれた声で誓いを立てると、裕也が抱き締めてきた。


強く。


とても強く。



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