あなたの命、課金しますか?
「俺と付き合って下さい‼︎」
南くんは、そう言って勢いよく頭を下げた。
校舎裏。
隣のクラスの南くんは、私を呼び出すのを三鷹くんに頼んだんだ。
私がやってくると、用は済んだと言わんばかりに三鷹くんはさっさと練習に行ってしまった。
この時点で【?】と思ったが、なんだか緊張している様子の南くんを見ているうちに、これまで恋愛ごととは無縁の私も、察しがついた。
ガチャを引いた【好きな人に告白される】とは、私が好きな人という意味じゃない。
【私のことを好きな人に告白される】という意味なのだろう。
がっかりを通り越して、腹が立ってきた。
生まれて初めて男子に告白されたというのに__。
「ごめんなさい」
素気無く答えると、南くんが頭を上げる。
その顔は苦痛に歪んでいた。
「やっぱり、裕也が好きなんだ?」
「それは__」
「裕也はやめたほうがいい。前にも言ったけど、裕也なんかより俺のほうが渚を__」
「三鷹くんを悪く言わないで‼︎」
大きな声で南くんを遮っていた。
聞きたくない。
聞きたくない、好きな人の悪口なんて。
「私は三鷹くんが好きなの‼︎誰がなんと言おうと好きなの‼︎」
誰がなんと言おうと。
誰がなんと言おうと、好き。
誰がなんと言おうと、付き合いたい。
誰がなんと言おうと、どんな手を使っても__。