プリティ・プリティ
空気が凍った。




「………っと、俺は、俺は友達ごっこのつもりなんてない」
「私たちには葵の声が聞こえる。でも、葵には自分の声が聞こえないんだって」
「私思ったの、運命と思っていても、割り切れるはずないじゃない。だから、その運命を食い止められる医者になりたいって」


「…………同情か。」




「カット。竹内、台詞忘れるな。濱田、横内、先輩らしくないぞ」


はぁあ〜〜、と部室内が脱力した。


「びっくりしたー!!芽衣子、めちゃめちゃ練習したっしょ?」


「それは、まぁ…」

「吉田よりちょい良かったかな。ほんっとにちょっとだけど」


「ありがとうございます……」

親にも見せなかった、闇練。
初めて認められた。


私はやっていける。
今度の舞台で、生き返る。
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