プリティ・プリティ
私、中学校の時、初めてみんなの前で、声を出した。変な声でわかりにくいはずなのに、みんな、聞いてくれた。あの日のこと、あの日のみんなの優しさ、きっと一生忘れない…





有り得ない声。
これは私ではないぞ。

私は
耳が聞こえない
葵だ。


ライトが眩しい。
観客なんてひとつも見えない。

何も聴こえないから、身体の耳を澄ませる。




徹の台詞が入る。

麻里奈は、気になるクラスメートの制服を借りている。

少し、涙が滲んだ。
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