プリティ・プリティ
「あの…小野さん、パス練一緒にしよ」


小野さんはパッと私を見た。

目がキラッと光った。



でも、ひどくおどおどしている。




「………うん……」



私は特技の営業スマイルを見せた。


「私、先に投げるから、私にボール返して」



無言で小野さんとパス練をする。

体育の先生も、いつの間にか私たちのパス練のサポートに入っている。



「小野さん、意外に返すの上手い」


小野さんは照れている。

泣き出しそうな顔で、照れている。





友達、いないのかな。






パス練を三十分くらいして、
6組のいつもの五人に戻る。



「小野ゆりかちゃんさ、すごいいい子だった」


ふーん、
四人は顔を輝かせた。
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