プリティ・プリティ
小野ゆりかは、

それから私たちの間で
小野ちゃんとか
ゆりかとか
ゆりっかとか

いろんなあだ名で呼ばれた。



6組と7組は、
文系と理系の混合クラスだったから、
理数系の科目の時間は女子校も同然になる。


その時間に、
私たちはゆりかと机を引っ付け、
ある程度授業を真面目に聞きながら、
高校生活を謳歌した。



その時間に、共通の趣味の
「読書」を共有することもあった。



机の引き出しと、通学鞄の中は、
文庫本だらけ。



読み回し過ぎて、
痛んでしまったから返って来なくなったり、
もっと言うと、他の女子グループにも
貸し出しが始まり、
学年中を回って返って来ることもあった。



私たちの趣味は、市民権を得ていた。
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