プリティ・プリティ
文芸部員には特徴があった。

文芸誌に載せる短編小説や、簡単な詩に、
いたいけな高校生のちくりとした痛みを
書きしたためる。



それは、ある種の欲望の発散であり、
しかも文芸誌を手にとってくれる生徒は沢山いた。

教職員まで、愛読してくれた。



誰も、何も言わないけれど、
文芸誌はいつも部数が追いつかなかった。




部員でない子まで、部室に入り浸り、
お礼だと言って、挿絵を描いてくれたりした。




部室と購買部は渡り廊下一本で繋がる好配置で、
部員はこそこそとアルバイトで貯めたお金や、
親からもらったお小遣いでジュースとお菓子を買い、部活動は完全に女子会だった。




部室で女子会をしながら、
グラウンドで運動部が頑張っているのを窓から眺めたり、チアリーダー部の元気な掛け声や吹奏楽部の美しい旋律をBGMとしていた。
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