プリティ・プリティ
ある時期から、
私の作風が変わった。



父方のおじいちゃんが、亡くなった。

親戚の葬儀に参加するのは初めてで、
棺の中で遺体になったおじいちゃんを見てしまった。



何か、凄くやりきれなかった。

キーボードを叩く指が、苛ついている。




でも、
読者がいるから。



独りよがりな作品は載せてはいけない。



ゴミ箱に入りたい貴方へ。
とか、
月夜に祈りを。
とか、

ありきたりで
高校生らしい表現が頻出し始めた。




部員ははっきりと心配してくれた。



化学反応というのは
本当にあって、他の部員の作風にも
波風はたった。




みんな、暗いことを書き始めた。




その時期は、進路のことで口頭試問が始まっていた。




私は大学進学を考えなくなっていた。

母親には話した。



少し変わった進路になりそう、いいかな。
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