イケメン問題児四人と同居始めました。
演劇祭、それは年に一回行われる行事。各クラス学年が演劇を披露し、もっとも素晴らしいものが優勝される私の学校ならではの行事である。色んな賞があるが、やはりみんなが狙うのは最優秀賞だろう。

「やっぱり、ダントツでロミオとジュリエットが一位だな。でも王道すぎないか?」

「でも数年前にロミジュリやっているみたいですけど、賞とってますよ。王道でもいいんじゃないすか?」

加藤くんが推す推す。

「俺はロミジュリやりたいっす」

その瞬間、他のクラスメイト達もロミオをやろうやろうと言い出した。
加藤くんの権限が強すぎますね。

「じゃあ、決まりと言うことでいいな」

先生がおずおずとロミジュリに丸をつける。

「次は誰がなにをやるかだ」

これは加藤くんが主役だろうな。

「ロミオ、やりたい人は挙手。または推薦もありだ」

「先生!健がいいと思います!」

ほらね、加藤くんという選択肢が最初に出てきた。
投票になる前に加藤くんがダントツ。予想通りに加藤くんがロミオになった。

「次は、ジュリエットだ」

これはクラスの美人がなるだろう。ここは奇跡的に美人がたくさんいるからな。うぅん、ジュリエットは正統派美人かな。

「先生、推薦っす。というか、俺この人としかやりたくないっす」

クラスがざわめき出す。

「え、加藤くん好きな人でも出来たのかな」

「やっぱり莉央かな」

「じゃない?健くん女たらしだけどやっぱり美人が好きでしょ」

聞き耳をたてるとこういうことばかりがきこえる。
莉央っていうのはこのクラスのマドンナ。ジュリエットもこの人がやると思う。

「俺、恋咲ちゃんとしかやらねぇから」

「は?」

あまりに驚いたもので声に出てしまった。
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