イジワルな彼は私を溺愛しています
「いいじゃんか、少しくらい」

私のBL漫画を奪おうとした。

と、私が認識したのと男の急所を膝で蹴ったのは同時だった。

「お前、ふざけんなよ!!」

キレた。

大大大ピンチだ。

これも、私のBL漫画に触ったことに私がキレたからだ。

つまり、自業自得。

「一発殴らせろっ」

私が急所を蹴った男の拳が振り上げられた。

ぎゅっと目を閉じる。

「……?」

どんなに待っても痛みが来ない。恐る恐る目を開けると

「な、中島だ!逃げろ!!」

そんな声と共に男達が逃げていくところだった。

「大丈夫か?」

私の前にいたのはイケメンだった。

ユウキに似てるなと思った。

それが声に出てたんだろうか。

「ゆうき?」

イケメンが言った。

ちなみに、ユウキというのはBL漫画の『男のお茶会』の主人公でSっ気があるが友達思いというギャップをもつ人気キャラだ。

「なんでもありません。助けて頂いてありがとうございます」

「別にいいから」

男は颯爽と去っていった。
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