イジワルな彼は私を溺愛しています
「タオルとって」

脱衣場で服を脱いでタオルを巻いている私の体を見て和海が言った。

「嫌です」

流れでここまできてしまったが、このタオルだけは私の最後の砦だ。渡すわけにはいかない。

「タオル渡して」

__無条件に従ってしまう王様の声。

「っ…」

でも、今はダメだ。

「渡して」

「嫌です」

「これじゃお仕置きにならないだろう」

和海は私がタオルを掴んでいる手首を強く握った。

「いっ」

痛みで手の力が緩む。

そこを和海のもうかたっぽの手が素早く下にタオルを引っ張った。

「っ〜〜///」

急いでしゃがみこむ。

「風呂入るぞ」

和海は私の腕を掴んだ。

「待って下さい!!」

和海はまたも私の声を無視した。
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