イジワルな彼は私を溺愛しています
ブーブー

また、スマホが震えた。

ピッ

「は?!お前なにしてんの?」

潤が勝手に通話ボタンを押した。

『もしもし、和海!?』

「何?」

なんで有紀はいつもどおり俺と話せるわけ。
他の男にキスされたのに。

『良かった。和海が無事で。全く、帰らないなら連絡ぐらいいれて。こっちが、どれだけ心配したか』

その時、車の走る音が聞こえた。
もう外は暗い。有紀は可愛いからナンパされやすい。

「有紀、どこにいる?」

『……どこだろ』

「はあ?!」

『和海を探してでたらめに走ってたからどこだか分かんない』

「……馬鹿か」

そんな言葉に嬉しくなる俺も馬鹿だ。

『馬鹿っていうことないでしょ。まあ、近くにコンビニがあるから店員さんにでも聞く。「あ、可愛い子みーっけ」』

男の声を聞いて、俺は勢いよく立ち上がった。

「潤、車出せ」

『「あの、ここってどこですか?」「んー?迷子かー。ここはね、×○△町だよー」』

有紀の機転に感謝だ。

俺は助手席に座りながら×○△町に向かうように言った。
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