イジワルな彼は私を溺愛しています
*side 有紀

「これから、レクリエーションを始めます」

和海のお父さんの声でレクリエーションが始まった。

レクリエーションは私、母、父、兄。
和海、和海のお父さん、和海のお母さんが参加者だ。

このメンバーからして、本当に楽しむことが目的だと分かる。

もう、両親は打ち解け合ったらしく父は愉快に笑っている。

レクリエーションはトランプや将棋など学生の修学旅行だ。

ここにいる人は私達が付き合っていることを知っているから、和海は私を足の間に座らせて髪を触っている。

「お前ら、見てられないから少し離れろ」

兄が言った。

私だって恥ずかしいけど、和海は離す気配はない。

「嫌です。次、俺らの番だな」

和海と私は合同チームでやることになった。この体勢だとまあこうなる。

今はババ抜きをしている。

カードを引くのが私、カードを持つのは和海だ。

「有紀、いいカードを引けよ」

「分かった」

私達の手札は1枚だ。
私は兄の手札を睨みつけながら真ん中のカードをひく。

「あがり」

和海が手札を確認して言った。

私は勝ったこと満足して、和海に笑いかけた。




「おやすみ」

ダブルベッドで二人横に寝る。

いつもキングベッドだから少し小さく感じた。

__私は目を閉じた。








「守るからな」

和海がそう呟いて私の頭を撫でながら電話をしたとき、私はもう夢の中だった。
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