ツンデレ黒王子のわんこ姫
「休み?芽以が?誰からの電話だった?」

健琉の質問に、首を傾げる遥香にイライラしつつもその返事を待つ。

「,,,えっと、名乗られませんでした」

遥香は知的に見える美人だか、中身はかなりのおっちょこちょいだ。

仕事は、天然のお嬢様である芽以の方がよっぽどできる。

健琉は葵生と芽以にしか見せない腹黒い"ブラック健琉"が出そうになるのを必死で堪えた。

「そう」

王子の笑顔で部署を出ると、休憩室に入りスマホを操作した。

電話の呼び出し音を何度鳴らしても芽以は電話に出ない。

「芽以,,,」

健琉はついに、社長室に向かって走り出していた。

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