ツンデレ黒王子のわんこ姫
「親父、芽以が休みってなんか聞いてるか?」
突然の息子の来室に驚いたクロカンの社長・黒田総司は、
「芽以ちゃんがどうかしたのか?」
と逆に聞き返した。
「知らないならいいよ」
踵を返して出ていこうとする健琉を総司が呼び止める。
「来てないのか?」
「ああ、連絡はあったらしいけどな」
不機嫌極まりない息子は、普段、ニコニコと愛想のいい嘘臭い笑顔を浮かべて飄々としているのに、芽以のこととなると途端に表情豊かになる。
「なんだ、お前には連絡がないのか?」
総司の突っ込みは的を得ていたようで、健琉は不機嫌を通り越して怒りを露にしていた。
「うるせー、今から連絡するつもりなんだろ」
バタンとドアを閉めて出ていく健琉に総司は笑顔を浮かべた。
しかし、あの生粋のお嬢様である芽以が休みとは珍しい。
お嬢様とはいえ、芽以は体が弱いわけでも、メンタルが弱いわけでもない。
入社以来、休みは初めてと記憶している。
後でお見舞いがてら白木家に電話してみるか、と総司はのんびり構えているうちに忙しくなり、その事はすっかり抜け落ちてしまうこととなった。
突然の息子の来室に驚いたクロカンの社長・黒田総司は、
「芽以ちゃんがどうかしたのか?」
と逆に聞き返した。
「知らないならいいよ」
踵を返して出ていこうとする健琉を総司が呼び止める。
「来てないのか?」
「ああ、連絡はあったらしいけどな」
不機嫌極まりない息子は、普段、ニコニコと愛想のいい嘘臭い笑顔を浮かべて飄々としているのに、芽以のこととなると途端に表情豊かになる。
「なんだ、お前には連絡がないのか?」
総司の突っ込みは的を得ていたようで、健琉は不機嫌を通り越して怒りを露にしていた。
「うるせー、今から連絡するつもりなんだろ」
バタンとドアを閉めて出ていく健琉に総司は笑顔を浮かべた。
しかし、あの生粋のお嬢様である芽以が休みとは珍しい。
お嬢様とはいえ、芽以は体が弱いわけでも、メンタルが弱いわけでもない。
入社以来、休みは初めてと記憶している。
後でお見舞いがてら白木家に電話してみるか、と総司はのんびり構えているうちに忙しくなり、その事はすっかり抜け落ちてしまうこととなった。