ツンデレ黒王子のわんこ姫
仕事を終えた19時。
健琉は白木家の玄関のインターホンを鳴らした。
「はーい」
出てきたのはメイド長の柏木。
「た、健琉様、どうなさいましたか?」
いつもはにこやかに迎え入れてくれる柏木の様子が変だ。
「芽以が風邪で寝込んでいると聞いたのでお見舞いに来ました」
健琉はいつもの王子スマイルで柏木を見つめたが、なぜか目を反らされる。
やはり、何かを隠している。
「お嬢様は、インフルエンザで高熱を出しておりまして、結婚式まではどなたともお会いにならないそうです」
柏木は、丁寧にお辞儀をしたかと思うと、俯いたまま健琉と目を合わそうとしない。
「では、旦那様か奥さまに,,,」
「だ、旦那様と奥さまは、中国で見つかった刀の目利きに出掛けられることになり、金曜日までは戻らない予定とのことです」
ますます嘘臭い。
健琉は心でそう毒づきなからも
「そうですか。お大事にと芽以さんにお伝えください」
と、一旦は退散することにした。
そして徐にスマホを取り出す。
本当はここまでしたくなかったが、秘密兵器を使うときが来た。
お嬢様で世間知らずの芽以を探すための機能だった。
GPS
芽以のスマホにこっそり仕込んでいたもの。
しかし、それは電源が入っていなければ機能しないということに気づいた健琉は、慌てて走り出した。
健琉は白木家の玄関のインターホンを鳴らした。
「はーい」
出てきたのはメイド長の柏木。
「た、健琉様、どうなさいましたか?」
いつもはにこやかに迎え入れてくれる柏木の様子が変だ。
「芽以が風邪で寝込んでいると聞いたのでお見舞いに来ました」
健琉はいつもの王子スマイルで柏木を見つめたが、なぜか目を反らされる。
やはり、何かを隠している。
「お嬢様は、インフルエンザで高熱を出しておりまして、結婚式まではどなたともお会いにならないそうです」
柏木は、丁寧にお辞儀をしたかと思うと、俯いたまま健琉と目を合わそうとしない。
「では、旦那様か奥さまに,,,」
「だ、旦那様と奥さまは、中国で見つかった刀の目利きに出掛けられることになり、金曜日までは戻らない予定とのことです」
ますます嘘臭い。
健琉は心でそう毒づきなからも
「そうですか。お大事にと芽以さんにお伝えください」
と、一旦は退散することにした。
そして徐にスマホを取り出す。
本当はここまでしたくなかったが、秘密兵器を使うときが来た。
お嬢様で世間知らずの芽以を探すための機能だった。
GPS
芽以のスマホにこっそり仕込んでいたもの。
しかし、それは電源が入っていなければ機能しないということに気づいた健琉は、慌てて走り出した。