ツンデレ黒王子のわんこ姫
プルルルル,,,。
聞きなれない電話の鳴る音が聞こえる。
芽以が目を開けると、真っ暗な和風の部屋に畳の匂いがする。
「ああ、温泉に来てたんだった」
ムックリと体を起こすと、芽以はリモコンを使って室内の電気をつけた。
鳴り止まない音は、部屋の内線電話だ。
時計を見ると19時。
旅館に着いたのは15時だから、四時間近く寝ていたことになる。
「はい」
「黒田さま、お食事はお一人様分でよろしかったですか?」
そうだった、もしかしたら健琉が来るかもと言ってあったんだった。
「はい、しゅ、主人は今日も仕事が終わらずにこちらには向かえないと連絡がありました」
「左様ですか。それでは、お部屋にお一人ぶんだけお運びします」
運ばれてきた和食の会席料理はとてもおいしかった。
しかし、一人で食べる虚しさも実感していた。
「健琉さんも、一緒だったら良かったな,,,」
首を振って、そんな感情を吹き飛ばして、芽以はスクっと立ち上がった。
「部屋の露天風呂に入ろう」
芽以は、ふと、スマホの充電を忘れていたことに気づいた。
白木家関係は着信拒否にしている。
充電コンセントを差し込んで、数分してスマホの電源を立ち上げる。
おびただしい数の健琉からのSNSメッセージ。
既読がついてしまうことにも気づかずに、芽以はそれらのメッセージを読む。
心配する健琉のメッセージに涙が浮かぶ。
しかし、2人の未来のためと思い直して、芽以は返信するのを止めた。
聞きなれない電話の鳴る音が聞こえる。
芽以が目を開けると、真っ暗な和風の部屋に畳の匂いがする。
「ああ、温泉に来てたんだった」
ムックリと体を起こすと、芽以はリモコンを使って室内の電気をつけた。
鳴り止まない音は、部屋の内線電話だ。
時計を見ると19時。
旅館に着いたのは15時だから、四時間近く寝ていたことになる。
「はい」
「黒田さま、お食事はお一人様分でよろしかったですか?」
そうだった、もしかしたら健琉が来るかもと言ってあったんだった。
「はい、しゅ、主人は今日も仕事が終わらずにこちらには向かえないと連絡がありました」
「左様ですか。それでは、お部屋にお一人ぶんだけお運びします」
運ばれてきた和食の会席料理はとてもおいしかった。
しかし、一人で食べる虚しさも実感していた。
「健琉さんも、一緒だったら良かったな,,,」
首を振って、そんな感情を吹き飛ばして、芽以はスクっと立ち上がった。
「部屋の露天風呂に入ろう」
芽以は、ふと、スマホの充電を忘れていたことに気づいた。
白木家関係は着信拒否にしている。
充電コンセントを差し込んで、数分してスマホの電源を立ち上げる。
おびただしい数の健琉からのSNSメッセージ。
既読がついてしまうことにも気づかずに、芽以はそれらのメッセージを読む。
心配する健琉のメッセージに涙が浮かぶ。
しかし、2人の未来のためと思い直して、芽以は返信するのを止めた。