ツンデレ黒王子のわんこ姫
健琉に連れてこられた商品開発室。
健在、健琉が開発しているのは、新機能を備えた抱っこ紐であると教えられた。
既存の他社商品について意見を求められたので、芽以は真剣に考えて自分の意見を伝えた。
なのに,,,。
突然、健琉は社食での芽以の優太に対する態度に言及した。
午前中、"他人と接する距離が近い"と、健琉から散々怒られたのにも関わらず、優太との距離が近かったからだろうか?
「この距離で男が考えていること」
そういって、健琉は芽以に口付けてきた。
一瞬のことだったが、確実に唇が重なっていた。
正直いうと、芽以は溺愛する弟に赤ちゃんの頃からキスを浴びせていたため、初めて婚約者とするキスにも抵抗を感じなかった。
さすがに日本男子である父に見つかると咎められるので、弟が赤ちゃんの頃も、絶対に見つからないように陰で思う存分溺愛していた。
もっとも、弟の剣人が小学校に上がってからはキスは嫌がられてしなくなったのだが。
"確かにこれを優太くんにされたらビックリしたかもしれないなー"
芽以は小さいときから
『妻は主である夫に従順に従うべき』
という、古風な父の教えを信じさせられてきた。
実際、母親である雅子は従順な妻として見本を示してくれている。
だから、夫となる"健琉の言うことは絶対なのだ"と芽以も理解していた。
同期入社の沢城優太は、そこら辺にいる女の子のよりも美少女と評されるほど可愛い顔立ちをしている。
168cmと小柄だか、155cmの芽以と並んだら
"意外とお似合い"と、やはり同期入社の小野遥香に冷やかされていた。
確かに、優太は外見が女子っぽく性格も人懐っこいので、芽以もついつい女友達のように感じて距離が近くなっていたかもしれない。
"健琉さん、私が男性に慣れていないから、きっと身をもって指導してくれているのね"
会社の後輩としても、婚約者としても、一日で追い出されて父の面目を潰すわけにはいかない。
"指導にしたがって、いい後輩、いい婚約者として認められないと!"
芽以は決意を新たにした。
ほどなくして、健琉が手に数本の飲み物を抱えて製品開発室に戻ってきた。
「これ」
と、健琉は手にしていた"ホットレモン"ピーチ""ココア"の三種類のジュースをテーブルに置いた。
「好きなの飲めば?」
健琉は素っ気なく言いながら、開発途中の商品を手に取る。
「ありがとうございます。ピーチを頂きますね。」
芽以は、嬉しそうにジュースの缶を抱えた。
「好きな飲み物とか知らねーから迷った。」
「ピーチが一番すきです。」
「そうかよ。」
健琉は少し照れたように商品を、何度も手に取ったり下ろしたりしていた。
「親父が明日は両家の顔合わせって言ってた。忘れんなよ。」
俺様で、毒舌な完璧王子は、まさかのツンデレでもあったようだ。
健在、健琉が開発しているのは、新機能を備えた抱っこ紐であると教えられた。
既存の他社商品について意見を求められたので、芽以は真剣に考えて自分の意見を伝えた。
なのに,,,。
突然、健琉は社食での芽以の優太に対する態度に言及した。
午前中、"他人と接する距離が近い"と、健琉から散々怒られたのにも関わらず、優太との距離が近かったからだろうか?
「この距離で男が考えていること」
そういって、健琉は芽以に口付けてきた。
一瞬のことだったが、確実に唇が重なっていた。
正直いうと、芽以は溺愛する弟に赤ちゃんの頃からキスを浴びせていたため、初めて婚約者とするキスにも抵抗を感じなかった。
さすがに日本男子である父に見つかると咎められるので、弟が赤ちゃんの頃も、絶対に見つからないように陰で思う存分溺愛していた。
もっとも、弟の剣人が小学校に上がってからはキスは嫌がられてしなくなったのだが。
"確かにこれを優太くんにされたらビックリしたかもしれないなー"
芽以は小さいときから
『妻は主である夫に従順に従うべき』
という、古風な父の教えを信じさせられてきた。
実際、母親である雅子は従順な妻として見本を示してくれている。
だから、夫となる"健琉の言うことは絶対なのだ"と芽以も理解していた。
同期入社の沢城優太は、そこら辺にいる女の子のよりも美少女と評されるほど可愛い顔立ちをしている。
168cmと小柄だか、155cmの芽以と並んだら
"意外とお似合い"と、やはり同期入社の小野遥香に冷やかされていた。
確かに、優太は外見が女子っぽく性格も人懐っこいので、芽以もついつい女友達のように感じて距離が近くなっていたかもしれない。
"健琉さん、私が男性に慣れていないから、きっと身をもって指導してくれているのね"
会社の後輩としても、婚約者としても、一日で追い出されて父の面目を潰すわけにはいかない。
"指導にしたがって、いい後輩、いい婚約者として認められないと!"
芽以は決意を新たにした。
ほどなくして、健琉が手に数本の飲み物を抱えて製品開発室に戻ってきた。
「これ」
と、健琉は手にしていた"ホットレモン"ピーチ""ココア"の三種類のジュースをテーブルに置いた。
「好きなの飲めば?」
健琉は素っ気なく言いながら、開発途中の商品を手に取る。
「ありがとうございます。ピーチを頂きますね。」
芽以は、嬉しそうにジュースの缶を抱えた。
「好きな飲み物とか知らねーから迷った。」
「ピーチが一番すきです。」
「そうかよ。」
健琉は少し照れたように商品を、何度も手に取ったり下ろしたりしていた。
「親父が明日は両家の顔合わせって言ってた。忘れんなよ。」
俺様で、毒舌な完璧王子は、まさかのツンデレでもあったようだ。