スキって言って。
走り去りながら涙が出る。
あぁ、私って情けない

居ない、か…

涙を流して汚い顔で走り去りながら
一人寂しさに暮れる


何も考えたくない。
家へ帰り着いた途端何も考えずにベットで寝た。


翌朝、意識の覚醒と共に目が覚める
なんていい天気なんだろう、
全て夢だったみたい
夢を見て居たみたい
夢だったら、良かったのに。


『優花、昨日のことで話があるんだ。』

『…なに…?』

『本当に…昨日は悪かった。お前に言ってないことがあって。』

『うん。』

『俺、中学卒業したらそのまま就職するんだ。それでさ、三月には…他県にいくんだ。』


…夢じゃなかった。


『…ら…ない』

『…え?』

『信じられないって言ってるの!』


思わず叫んでしまった。

当たり前だ。
この一年8ヶ月、毎日のように会ってきた
会わなかった日なんてないくらい会ってきた

一日でも居ない日がないくらい
大切な存在の人だから。

彼が居ない日常なんて考えることすらできなかった


『ごめん、でもさ…これはお前の…』


彼の声が遠くなっていく。
あぁ、なんだか目の前がグラグラ…


『おい、優花…?大丈夫か?おい…!!』


そのまま私は床に崩れ落ちた。

ありえなかった
居なくなることが。
信じられなかった
居なくなることを。


目を開ける
心配そうに覗く彼の姿があった


『良かったー、優花。心配したよ』


声を聴くと、溜め込んでいた涙が一気に溢れ出した
声をあげて泣く 彼を困らせながら泣く


それでも優しい彼は、
私の手を両手で握りしめてそっと呟く

『大丈夫。離れていても繋がっているから。』
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