スキって言って。

『光希は！…光希はさ、辛く…ないの？』

震える声で…尋ねる。

『辛いよ』

優しい笑みを私に向ける。
あぁ、どうしてそんな顔できるんだろう
私は彼みたいに強くない

私は…弱い。。。。


『どう…して…？』

『ん…？』

『どうして私に何も相談してくれなかったの⁈私より仕事がそんなに大事？私のこと嫌いになったの？私といる時間がそんなに嫌？』


溜め込んで居た気持ちが一気に爆発して
早口でまくし立ててしまう。

彼は一瞬困った顔をしたかと思うと、
その後にため息をつく。

あぁ、呆れられた。当たり前だ。
私はワガママだし、泣き虫だし、取り柄なんて何もないのだから。

嫌われちゃったかな。



どうする事も出来なくて、そっぽを向く。

途端、後ろから温もりに包まれた。


『こう、して欲しかったんだろ…？』


彼が後ろから力強く抱きしめる

力強いその腕に私は逆らうこともできない。


『ちが…私は…別に！』


泣きそうになるのを必死に堪えて懸命に誤魔化す

これ以上嫌われたくない
これ以上呆れられたくない

もっと彼に好かれたい
もっと彼に愛されたい
もっと彼に似合う女に…


『優花…？』

『…な、なに…？』


作り笑いをする。


『辛いんだろ…？』

『ううん、全然！！』


あぁ、なんて嫌な女なんだろう。
好きな人の前でさえ、素直になれない
どうしても強がってしまう

嘘ばかりしかつけない自分のことが本当に大嫌いだ

一生懸命に誤魔化そうとする私に彼が囁く
すごく優しい声で囁く
耳にかかる吐息が少しくすぐったい


『優花…泣きたいときは、泣いてもいいんだぞ。』


その瞬間、目から大粒の雫が零れ落ちた。
なんでだろう。泣きたくないのに。
泣いちゃいけないのに、。


『どう…して…置いて…行…くの…』


声を上げて泣きながら思っていることを彼に全部ぶつける。


『お前、バカだな。置いて行くんじゃなくて、お前のために行くんだよ。』


自信に満ち溢れたような声で言う。


『私…のこと…嫌いに…なったの…？』


こんなくだらないこと。
絶対笑われる。


『お前…どこまでバカなんだよ。嫌いになるわけないだろ！』


泣きながら黙って俯く。


その様子を見た彼は
また耳元で囁く。


『俺は、お前のことが好きだ！大好きだ！いや、愛してるぞ！！！！』


そう言って私の頭を撫でてくれる。
大好きな彼の手が私の頭に触れていて
心地がいい、眠りたくなる。
ずっとずっと撫でていてほしい。


『光希は……辛く…ない、の…？』


『辛いに決まってんだろ。でも、お前のために頑張るんだよ。』


そう言って笑う君は輝いて見えた。
私はずっとこの人の隣にいたい、。